Vol.9 Cadillac PLACE 旅する美食 Vol.9 Cadillac PLACE 旅する美食

February 23, 2018

川べりの竜宮城にてアート&テロワールを。

Vol.9 川べりの竜宮城にてアート&テロワールを。| Cuisine régionale L'évo

Text by

Taki Masashi

美しさは儚さ、物語を奏でるコース。

岐阜県高山市の川上岳の水源から飛騨高地を北に流れ、富山湾へと注ぐ神通川。その途中、岐阜と富山の県境近くに位置する長さ20km弱の渓谷、神通峡の川沿いに『リバーリトリート雅樂倶』がオープンしたのは17年前のこと。海辺や湖畔のリゾートは数多あれど、川沿いというのは珍しく、また多くの作品を置きアートと過ごせるスモールラグジュアリーホテルとして当時大きな話題となった。そのホテルの名を再び耳にしたのは10年前のこと。リニューアルした館内のレストランの谷口英司シェフが凄い、と評判になったのだ。

その谷口シェフのコースをいただきに『リバーリトリート雅樂倶』を訪ねてみた。山また山の東海北陸自動車道を北に向かえばそこが、東京、名古屋、大阪の首都圏いずれからもそこそこ離れていることを実感。川べりに出る迄は「この辺りにリゾート、あるのか?」と、ナビを疑ってしまったほどだ。そしていきなり『リバーリトリート雅樂倶』が現れた。ところがそこに並んでいたクルマのナンバーは「世田谷」「名古屋」「徳島」「新潟」と、実にバラエティーに富んでいる。『レヴォ』に入り、漆黒の廊下を進んだ先を左に折れると、そこには川の眺望が窓いっぱいに広がったフロアが広がっていた。川べりなれど、なんだか竜宮城にたどりついた気分である。

その竜宮城感はランチが始まり、さらに色濃くなる。その日、11月28日のランチのメニューはこうだった。「prologue」 「岩瀬 貝割」「岩瀬 アオリイカ」「Virgin egg」「魚津 黒エイ」「城端 むぎやポーク」「呉羽梨」。地元、南砺地方の城端(じょうはな)織物のシートにプリントされたそれを手に取れば、なにやら歌会でお題を頂戴した気分だが、例えば「岩瀬 貝割」の岩瀬は産地。路面電車の成功例として名を馳せた富山ライトレールの終点が岩瀬浜駅だから、神通川が富山湾に注ぐ河口のあのあたりに揚がったのだろう。貝割りとは、ぷっくりと身の天地幅が広いアジの一種。その身の旨さで知られており、型が大きければ高級魚扱いとなる。と、そこまでは文字から読めたとしても、テーブルに置かれる皿の予想には残念ながら役立たない。

すべての皿が作品なのだ。メニューはその作品のタイトルに過ぎないのである。料理という作品と、器という作品がテーブルに置かれた瞬間、何かを奏ではじめる。メインの「城端 むぎやポーク」(写真 上)は割と明快だが、「呉羽梨」(写真 下左)は器も料理もやや難解。驚いたのは「岩瀬 アオリイカ」(写真 下右)で、その器はガラス作家の小島有香子さんの手によるもの。日本伝統工芸展高松宮記念賞受賞作家でもある彼女の作品は、工芸品と思い込んでいたので、器として料理が盛られてきたのは衝撃だった。聞けば、小島さんも富山在住の作家で、他の器やテーブルも、近隣の作家によるものとのこと。テロワールとはうかがっていたが、器を含めそのセレクト、審美眼にはたいへん驚かされた。

ついつい器の話を続けてしまったが、料理は評判どおり凄い。貝割は昆布締めのような甘味、重み、落ち着きがあり日本海を食べている気に。アオリイカのドラマチックな甘みも、黒エイのメロウな軟骨の甘みも忘れ難い。ひと皿ひと皿に魂が入っていて、流されていない。それでいてコース全体に通底するメロディは軽やか。旅先でテーブルに着いたら、また旅が始まった感がある。コースの最後、凍み豆腐的スライスの「呉羽梨」が口の中、風味を残しつつ溶けてゆけば、お腹はもう満タンなのに、旅の終わりのような寂しさをおぼえた。それは美しいものは儚いもの、と教えられた瞬間だった。

ウインタードライブにおいてAWDは何よりのセーフティ デバイスとなる。太平洋側ではドライの高速道路をクルーズし、ドカ雪の峠を越え、シャーベット状となった路面の国道をひた走り、再び雪の高速道路にのって……と、路面状況は刻々変わり、天気の変化も目まぐるしい。一瞬たりとも気の抜けないドライブが延々続くこととなるのだが、キャデラック CT6のAWDはそんな厳しい変化をものともせず、キャビンはラグジュアリーであり続けた。雪降りしきるなかボーズによるPANARAYシステムでチャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲を存分に楽しめた。雪道でステアリングを握りながら、リラックス、雪道が美しいと思えたのは初めての経験だった。

早朝出発して『レヴォ』でランチをいただいて、休日午後は早めに家路に、という早朝出発ドライブ、朝ドラももちろんいい。しかし『レヴォ』は25の客室を擁する『リバーリトリート雅樂倶』にあり、そこにステイしてディナーをゆっくり、も素晴らしいと思う。『レヴォ』のコースは物語を奏でるので、更けゆくなか最愛の人とゆっくり過ごすほうが自然な気すらしたほどだ。

  • CADILLAC CT6

    キャデラックの伝統を継承し、
    AWDフルサイズセダンという理想を実現させた
    世界をリードする、まったく新しいラグジュアリーカー。
    3.6ℓ V型6気筒DOHCエンジン
    全輪駆動 / 8AT / 8エアバッグ 搭載
    全長×全幅×全高:5,190×1,885×1,495㎜。
    ¥9,990,000(税込)
    CADILLAC CT6  
  • レヴォ(Cuisine régionale L’évo)

    富山県富山市春日56-2 リバーリトリート雅樂倶内
    tel.076-467-5550
    ランチ:11:30~13:00 (LO)
    ディナー:18:00~21:00 (LO)
    水曜定休 ※ランチ・ディナーともに要予約
    レヴォ(Cuisine régionale L’évo)  
今回ご紹介した『レヴォ』
最寄りのキャデラック正規ディーラーは『キャデラック桜山』。
『レヴォ』までは、東海北陸自動車道経由で約210km、
所要時間は約3時間20分です。

キャデラック桜山(ショールーム)

愛知県名古屋市昭和区広見町四丁目45番地の2
tel.052-859-2033
10:00~19:00 火曜定休